将棋

”成銀”のすすめ

【銀に共感を覚える】

将棋には「銀」という駒があります。
動き方は、”前方向全て”と”左右の斜め後ろ”の計5方向。

初期配置では王将の隣のとなりにいるので、守りと攻めのどちらの力も兼ね備えた優秀な駒です。

その隣、つまり王様の隣りにいるのは「金」です。
金は”前方向全て”と”左右”、”後ろ”の計6方向。
1方向多く動けることは将棋において大切なことなので、価値が大きいとされています。
 

銀は上述のように、とても優秀な駒なのですが、金と比較するとその便利さはやはり劣ります。

ここぞと相手を攻めたい時や、自陣を守りたい時に金があると便利なのですが、
そういう時に限って銀しかない時は、なんとももどかしい気持ちになります。

そんな「あと一歩頑張ってほしい」と思わずにはいられない銀の特徴に自分が重なり、共感を覚えます。

【”成金”が当たり前とされている中で】


 
将棋の駒は敵陣に入った時に「成り駒になれる」という方法があり、
「歩」も「香車」も「桂馬」もそれぞれが成ると「金」と同じ動き方ができるようになります。

動ける方向が価値として評価される将棋においては、
この弱かった駒が金と同価値になることはとても大きいことなのです。
そのため攻める駒たちは「金」になることを目指し、相手陣地に入っていこうとします。

他に漏れず銀も同じく、成ると「金」になれますが、これで自分の価値が本当に高まったのかというと、けっしてそうではないと思います。

盤上の駒で唯一、前方向と斜め後ろを動けることが特徴だったというのに、金に成ったが最後、もう斜め後ろには動くことができません。

となると、
あと一歩頑張れば金になれるのだけど、果たして金になることが良いことなのか。
 
成り上がった時に回りと同じ姿になることが、必ずしも幸福度を高めるとは限りません。
むしろ「自分がどうありたいのか」を見失うと、金を目指すことすら苦になります。

将棋においても、
局面によっては「銀」のままで成り上がらない方が良いとされることはたくさんあります。
自分らしさを貫くことでより影響を与えることができるのです。

繰り返しになりますが、
金の姿に憧れてばかりいると、大事な自分らしさを忘れてしまうのではないか。
大切なのは「自分はどうありたいか」のあり方の話なのだと思います。

これからはますます個人の時代。
むしろ自分のペースやポリシーを貫き、「成銀」を目指す駒がいても良いのではないか。

金になろうとするだけでなく、「成銀」を目指すことは、
他にはない経験を積み重ね、それが成った時に大きな強みになることでしょう。

【成銀のすすめ】。そんな「銀」のことを考える木曜の夜でした。

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